WEB VERSION

神の庭・サンフォーレ

訪問者:シルバーホーム「まきば」  施設長 鈴木卓也

 秋も深まった2009年11月、神奈川県秦野市にある有料老人ホーム「神の庭・サンフォーレ」を訪ねました。小田 原駅から小田急線に乗り換え、秋色に染まった木々と山間の清流に沿って電車が走ること15分、渋沢駅へ 降りてからタクシーで5分、キリスト教信徒のためのホーム「神の庭・サンフォーレ」に着きました。
 受付でにこやかに迎えてくださったのは、加藤愛ホーム長でした。その後、加藤康博事務長も加わっ て、お忙しい仕事にもかかわらず、ゆっくりとお話を伺うことができました。
 日本基督教団神奈川教区内に「老後の信仰生活を共に送ることができるキリスト教信徒のための老人 ホームを創りたい」という熱い祈りがあり、1995年、老人施設プロジェクト委員会が発足しました。平塚教 会の信徒で潟Tンフォーレの社長・島田利修兄にも助言を求めながら研究を進めましたが、教区内には 様々な意見があり、なかなか一本化できない状況のまま時問が過ぎて行きました。
 島田兄が経営する潟Tンフォーレは、行政の支援を受けず事業目立して地域を良くずる業(ソーシャルビ ジネス)に取り組み、小規模有料老人ホームを手がけておられましたので、サンフォーレに協力を求めるの が最良の方法と考え、ついに教区として関わることは断念、潟Tンフォーレが経営して「支える会」が協力 ずるというかたちで、1997年「神の庭・サンフォーレ」が誕生しました。
 市街地の街角にあって、少人数であることを大切にずるホームです。そして入居者21人の内19人がク リスチャンです。神奈川教区有志で構成する「支える会」の中心になっておられる烏羽徳子先生が、火曜日 一日常駐してこ入居者のお話を聞いたり、お祈りをしたり、また一緒に食事やゲームを楽しみながら、 信仰生活のケアを続けておられます。
 風光明媚な丹沢山系を背景に、遠くに富士山を望む目然に囲まれた地で、「異なる人間の生き方を支え、 身体のみならず脳(心)も支える」という自己開発の運営スキル「いつくしみの思草(しぐさ)」でシニア は日々充実した生活を送り、楽しみや喜びを享受されています。
 心地よい緑の庭を囲むように、2つの住棟が伸びたホームの建物。その中央部に、温かい雰囲気の礼 拝堂や集会室があり、ホームの催やコンサート、誕生会など、地域のボランティアの皆様による盛りだくさ んの行事と共に、「支える会」に連なる牧師の協力を得て、毎月2回の施設内礼拝を守っています。  「人生の先輩として入居者様に対応ずる」「必ず敬語でお話ずる」「サービス業であることの徹底」など など、「まきば」と一致する多くの目標を持っていることがわかりました。
 極力個々の要望に答える介護を実践しているところは、私たちとの共通点を感じるとともに、小規模ホ ームならではの特性をうまく生かしておられ、羨ましく思うところもありまず。秦野市とタイアップして、小 規模多機能施設「まちかどメンバーズ倶楽部・秦野」やグループホーム「街角の家・秦野」も運営し、地域 と共に進んで行こうとする姿を感じました。
 利用料金は「まきば」とほぼ同レベルでずが、終身 利用権の入居一時金方式の他に、10年入居契約や1年入居契約もできるような選択システムを取っています。  加藤愛ホーム長は「支える会」との協力関係を密にし、「さらに信仰生活の場として充実したホームに していきたい」という希望を持っておられまず。クリスチャン職員が少ないという悩みがありますが、これ は同時に伝道の機会が多く与えられていることと感謝し、運営責任者も協力教会も、宣教に力を注いで おられます。
 宗教法人と株式会社という法人上の違いはあっても、志を同じくずるホームが全国いたるところに建ち、 互いに助け合っていけるようになれば、こ高齢の皆様に、地上の生涯において安心して教会生活を送っ ていただける世界が実現できるのではないかと思いました。
 多くの共通点を持った「シルバーホームまきば」と「神の庭・サンフォーレ」、この2つのホームがそれぞ れの長所を学び合い、情報を共有しつつ助け合って成長していくことによって、多くの兄弟姉妹に安心し て祈りの生活を全うしていただける体制づくりを進め、その恵みを全国に発信していくことができるの ではないかと思い、今後の協力を約束して帰ってきました。
 加藤愛ホーム長と加藤康博事務長はご夫妻だということを、帰りがけに教えていただきました。加藤愛 ホーム長が信仰によってこの職に就任する時、事務に堪能なこ主人の力を借りたいと願い、こ主人はこ れまでの仕事を退職して奥様の業を手伝うことになったということでした。とても仲の良い、羨ましいご夫妻でした。

トップ・ページへ